戸建投資で融資を利用する際、多くの方が検討するのが変動金利です。固定金利より当初の金利水準が低く設定される傾向がありますが、その分、将来の金利上昇が返済額に影響するリスクを抱えることになります。この記事では、金利上昇リスクの基本的な考え方と、備えとなる「返済比率」という視点を整理します。融資の種類全体については別記事で解説していますので、ここでは金利リスクと返済比率に焦点を当てます。
変動金利は、市場の金利動向に応じて、一定期間ごとに適用金利が見直されるタイプの融資です。金利が低い時期には返済額を抑えられますが、金利が上昇すると、その分返済額も増加します。金融機関によって見直しの頻度や、返済額への反映のタイミング・ルールは異なるため、契約時に条件を確認しておくことが欠かせません。
金利が上昇すると、ローンの毎月の返済額が増加します。賃貸収入が一定であれば、返済額が増えた分だけ手元に残るキャッシュフローは減少します。特に返済額に占める金利部分の割合が大きい融資初期の段階では、金利の変動が収支に与える影響が比較的大きく出やすい傾向があります。家賃収入は入居者がいる限り大きくは変わらない一方、返済額は金利動向によって変化し得るという非対称な関係があることを理解しておく必要があります。また、融資期間を長く設定している場合は、金利上昇の影響を受ける期間そのものも長くなるため、融資期間の長さと金利タイプの組み合わせについても合わせて考えておくとよいでしょう。
返済比率とは、年間の家賃収入に対して、ローンの年間返済額がどの程度の割合を占めるかを示す指標です。返済比率が高い状態で金利が上昇すると、わずかな金利変動でもキャッシュフローが大きく圧迫される可能性があります。逆に返済比率を低めに保っておけば、金利上昇や一時的な空室が発生しても、手元資金への影響を一定程度抑えやすくなります。融資を組む際は、現在の金利だけでなく、金利が一定程度上昇した場合の返済額もあらかじめシミュレーションし、その状態でも無理なく返済を続けられる返済比率に収まっているかを確認しておくことが大切です。
契約期間中、返済額が変わらないという安心感があります。一方で、当初の金利水準は変動金利より高めに設定される傾向があり、金利が上昇しなかった場合には、結果的に変動金利より総支払額が多くなることもあります。
当初の金利が低く設定されやすく、金利が上昇しなければ総支払額を抑えられる可能性があります。一方で、将来の金利動向は予測しきれないため、返済額が増加するリスクを常に抱え続けることになります。
どちらが優れているというものではなく、金利変動リスクをどの程度許容できるか、他の借入状況や資金的な余裕とのバランスを踏まえて、個々の状況に応じて検討する必要があります。
金利上昇は、単独で起こるとは限りません。経済環境の変化によって金利が上昇する時期には、賃貸市場全体の状況も同時に変化している可能性があります。たとえば、金利上昇と同じタイミングで空室が発生したり、家賃を見直す必要が出てきたりすると、返済額の増加と収入の減少が同時に起こり、キャッシュフローへの影響が重なってしまうことも考えられます。金利単独のシミュレーションだけでなく、空室や家賃下落と組み合わせた複数のシナリオで収支を確認しておくと、より現実的な備えになります。
金利上昇リスクは、変動金利を利用する戸建投資において避けて考えることができないリスクです。返済比率に余裕を持たせ、金利が上昇した場合のシミュレーションをあらかじめ行っておくことで、急な環境変化があっても落ち着いて対応しやすくなります。
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